塗料の撥水性と親水性
塗膜の性質によって持つ機能は異なりますが塗料にも「撥水性(はっすいせい)」と「親水性(しんすいせい)」があることをご存知でしょうかます。これらは真逆の性質を持つため、それぞれの機能も大きく異なります。撥水性と親水性、それぞれの特徴や、メリットデメリットについてをご説明します。
「撥水性(はっすいせい)」とは
文字通り「水をはじく」性質を指します。植物の葉の上をきれいに丸い水滴がすべり落ちていく様子や、車のフロントガラスに施された「撥水コーティング」によって雨滴がガラス表面から飛んでいく様子がこれに当たります。
撥水性の塗料は、塗膜表面で水滴をはじく機能を持ちます。
【 メリット◯ 】
・ 雨水が壁に染みわたることがなくなり、雨水と一緒に汚れなどもはじけるため、外壁の汚れが少なくなる。
・ 水分を栄養源とするカビやコケなどの生育を防ぎ、雨の侵入を防ぐことで素材の劣化を防ぐ効果もある。
【 デメリット× 】
・ 外壁内部の通気性が悪くなるため、結露が生じる可能性がある点や、汚れが積み重なると落ちにくくなることがある。
「親水性(しんすいせい)」とは
「水に馴染みやすい」性質を指します。親水性の塗料を壁に塗ると、壁にぶつかった雨滴はそのまま薄く広がって流れていきます。
【 メリット◯ 】
・ 降雨によって汚れを洗い流すことができ、塵やホコリ、油汚れも雨滴と一緒に流せる。
・ 親水性の効果は塗料の耐用年数と同じ期間持続するため、長期的な利益が期待できる。
【 デメリット× 】
・ 雨が降らない限りは汚れが落ちないということもある。
まとめ
雨滴がはじくか広げるかは、水が接触する面の違いによるものです。平らな面に雨滴が落ちれば水は広がりますが、凹凸がある面に落ちると雨滴ははじかれます。このことは、塗料がどんな壁と相性が良いかに関連しています。例えば、凹凸のある砂壁調やコテ塗り調の外壁には撥水性の塗料が適しています。
撥水性塗料と親水性塗料を使い分ければ、建物の外壁の保護や美観をキープしやすくなります。
どんな塗料を選べばよいかは、建物の状態や環境、ご要望によって異なるため、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
塗料の機能や特性を理解し、最適な塗料を選んで外壁のメンテナンスを行うことで、建物の耐久性や美しさを保つことができます。ぜひ、塗料選びの際にはこれらの違いを考慮して、長期的な視野で建物を守っていきましょう!
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