雨樋工事の施工手順
雨樋が破損したり劣化したりすると、建物の寿命に悪影響を及ぼします。雨漏りの兆候がなくても、雨樋の状態が悪化している場合は早急に修理することが重要です。放置すると他の部分にも悪影響を及ぼすだけでなく、修理費用も高額になる可能性があります。
雨樋の修理や補修には、破損の原因と適切な対処法を知ることが重要です。
目次
雨樋の取り替え手順
1.既存の雨樋を撤去する
雨樋工事の第一歩は、既存の雨樋を取り外すことです。これには集水器や支持金具なども含まれます。2階や3階の雨樋を取り替える際には、足場を設置してから作業を行います。支持金具を外す際にも、外壁や軒先部分を傷つけないように注意深く作業を進めます。
2.軒樋の勾配(傾斜)を設定し支持金具を取り付ける
適切な勾配を保つために、支持金具を取り付ける際には注意が必要です。勾配の決定方法は大きく2つあります。ひとつは、集水器に接続される方向とは逆向きに水平線を示す水糸を張り、それに従って勾配を設定する方法です。もし両側に集水器がある場合は、軒先の中央から左右に少しずつ下がるように水糸を配置します。もうひとつは、元々支持金具が取り付けられていた位置を基準に勾配を設定する方法です。
3.支持金具の穴を防水コーキング剤で処理
支持金具を取り外す際にできる穴を防水コーキング剤でしっかりと処理します。これを怠ると、雨漏りの原因になる可能性があります。すべての穴を丁寧に処理しておきましょう。
4.軒樋に継手や止まりを取り付ける
軒樋の取り替えには、継手や止まりの取り付けも含まれます。継手や止まりの部分には専用の接着剤を使用してしっかりと固定します。
5.集水器を取り付ける
集水器は、軒樋からの雨水を集めて竪どいに導く役割を果たします。軒樋を両側から集水器に差し込んで取り付けます。もし既存の軒樋を使用する場合は、集水器と軒樋を収縮性コーキングで接続します。集水器周辺には支持金具を追加して補強します。
6.竪樋を取り付けて集水器に接続する
竪樋の垂直部分に支持金具を取り付けて固定します。そして竪樋を集水器としっかりと接続します。
7.排水経路を確認する
竪樋から排出される雨水が適切に雨水枡(排水溝)に流れるかを確認します。もし地面に排水溝が埋められている場合は、竪樋を排水溝入口に接続します。ただし、雨水は下水とは異なるため、地域によっては道路側の溝へ排水する場合もあります。排水方法は地域の自治体によって異なるため、確認が必要です。
まとめ
最近ではDIYが流行しており、ホームセンターなどで道具を手に入れて自分で雨樋の交換を行う人も増えています。しかし、高所にある雨樋の交換には安全な足場が必要であり、取り付けに失敗すると雨樋の機能を果たせないだけでなく、逆に修理費用が高額になる可能性もあります。高所での作業は危険を伴います。
雨樋は自身だけでは点検やメンテナンスが難しい箇所でもあります。外観上の問題がなくても、変形や破損が見落とされている可能性があるため、外壁塗装や屋根工事と同時に専門業者による点検やメンテナンスを行うことをおすすめします。一度に複数の工事を行うことで、コストを抑えながら効果的なメンテナンスが可能です。
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