[ 屋根工事 ] 吹き替えとカバー工法
屋根工事の選択肢として、塗装、葺き替え、カバー工法の3つが存在します。以前のブログで塗装についてご紹介しましたので、今回は葺き替えとカバー工法に焦点を当てて、それぞれのメリットとデメリットについて詳しくお話ししていきたいと思います。
屋根の葺き替え
葺き替え工事は、屋根リフォームの中でも最も大規模な方法です。これは、単に屋根の表面を修復するのではなく、元々の屋根の下地から表面までを一新する工事です。
〇 メリット
【 地震対策 】
葺き替え工事を行う際に、軽量な屋根材を選ぶことで地震に対する耐性を向上させることができます。たとえば、瓦屋根は頑丈でメンテナンスが比較的簡単ですが、その分重量があり地震時には負担となることがあります。屋根が老朽化している場合、軽量かつ丈夫な材料に葺き替えることで、地震時の安全性を高めることが可能です。その中でも、ガルバリウム鋼板は軽量で丈夫な材料として人気があります。
× デメリット
【 費用の一時的な増加 】
葺き替え工事は、他の方法に比べて費用が高くなることがあります。古い屋根材を撤去し処分する費用や、工期が長くなるため人件費が高くつくことが挙げられます。しかしながら、古い屋根材のメンテナンスサイクルが短くなり、年々補修や塗り直しが必要になることを考えると、結果的には葺き替え工事によってトータルコストを節約できる場合もあります。
カバー工法(重ね葺き工法)
カバー工法は、既存の屋根材を取り外さずに新しい屋根材を重ねて設置する方法です。
〇 メリット
【 経済的な選択肢 】
カバー工法は葺き替え工事に比べて工期が短く、基本的には廃材が発生しないため処分費用もかかりません。これにより、費用を削減することができます。
【 断熱性の向上 】
カバー工法により、金属屋根裏面にある断熱材が防音性を高め、断熱性も向上します。ただし、製品によっては断熱性がないものもあるため注意が必要です。また、屋根が2重になることで断熱性や防音性、防水性が向上する利点もあります。
× デメリット
【 屋根の重量増加 】
カバー工法により、屋根は2重構造となります。ただし、軽量な金属屋根材を使用する場合、屋根の重量に対する懸念は少なくなります。例えば、軽量金属屋根の場合、屋根の重量は5kg/㎡となります。一般的な屋根材に金属屋根材をカバー工法で重ねる場合、総重量は約25kg/㎡となります。これは陶器瓦(日本瓦)の屋根の約60kg/㎡と比べても軽量です。
【適用できない場合がある】
カバー工法はすべての屋根材に適用できるわけではありません。瓦など、厚みや波のある屋根材には適用できません。また、屋根の劣化がひどく下地も傷んでいる場合は葺き替えが推奨されます。
屋根の葺き替えとカバー工法にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。自身の住宅の状態やニーズに合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
前の記事へ
« [ 屋根工事 ] 屋根工事のタイミングは?次の記事へ
[ 屋根工事 ] カバー工法、葺替え工事の流れ »