突然ですが、あなたのお住まいの家の屋根が雨漏りを防ぐためにどのような建材が重要か、ご存知ですか？

瓦やスレートなどの屋根材が雨水の侵入を防いでいると考えていませんか？

実際には、ルーフィング（下葺き材）が重要な役割を果たしています。もちろん屋根材も防水の役割を持っていますが、完全ではありません。ルーフィングという屋根材の下に敷くシート状の“防水建材”が、雨水の侵入を防ぐ鍵なのです。

ルーフィングが防水の「砦」

 

まず、屋根の構造を簡単に説明します。

屋根は、垂木（屋根を形作る木材）→野地板（板状の木材）→ルーフィング（防水シート）→屋根材という順に重ねられています。

雨水は通常、屋根材の上を流れて雨どいに集まり、排水されます。しかし、屋根材が劣化したり、激しい雨が降ったりすると屋根材の下に雨水が入り込むことがあります。ここでルーフィングが重要な役割を果たします。内側に入ってしまった雨水も、ルーフィングの上を流れて雨どいに集まるため、きちんと排水されます。ルーフィングは雨水の侵入を防ぐ“砦”なのです。

 

もし屋根からの雨漏りが起きたら、ルーフィングが破れてしまったり、剥がれたりしていると考えられます。しかし、ルーフィングはお客様の目には見えないため、多くの業者は勝手に選んで施工します。この重要な建材を理解し、工事の際に適切な選択がされるよう、しっかりと知識を得ることが重要です。

主なルーフィングの種類

 

アスファルトルーフィング

アスファルトを染み込ませた板紙にアスファルトの層を重ねて作られます。安価ですが、品質はあまり高くありません。

 

改質ゴムアスファルトルーフィング

アスファルトルーフィングの改良版で、耐久性が向上しています。

 

粘着層ルーフィング

裏面が粘着シールになっており、施工が容易で雨水の侵入を防げます。

 

不織布ルーフィング

繊維素材で作られており、丈夫で耐久性があります。

 

高分子系ルーフィング

合成樹脂を主成分としており、軽量で耐久性に優れています。

 

遮熱ルーフィング

アルミ反射層があり、遮熱効果があります。

屋根材とルーフィングの間に隙間がないと効果が発揮されないため、コロニアルやガルバリウム鋼板、瓦棒屋根との相性は良くありません。

 

透湿防水ルーフィング

屋根に透湿効果がない場合に湿気が野地板を傷めるのを防ぐために開発されました。

 

これだけ多様な種類のルーフィングが存在することに驚かれるかもしれませんが、それだけ多くの選択肢があるということは、さまざまな状況やニーズに適したルーフィングを選ぶことができるという利点でもあります。屋根の材質や地域の気候、環境によって適したルーフィングが異なるため、慎重に選ぶことが重要です。

お住まいの地域の気候や周囲の環境、屋根の構造などを考慮しながら、適切なルーフィングを選ぶことで、雨漏りのリスクを最小限に抑えることができます。また、ルーフィングは長期間にわたって家を守る役割を担っています。そのため、耐久性や品質にも注目して選ぶことが重要です。

そして、もう一つ重要なポイントは、ルーフィングを選ぶ際には信頼できる業者との相談が不可欠です。専門家のアドバイスを受けながら、最適なルーフィングを選ぶことで、より安心して屋根の雨漏りを防ぐことができます。

最後に、屋根からの雨漏りを防ぐためには、屋根の防水シートであるルーフィングが重要であることを再度強調します。屋根の本体が雨水の侵入を防いでいると思われがちですが、実際にはルーフィングが雨水の侵入を防ぐ最後の砦となります。適切なルーフィングを選ぶことで、家を長期間にわたって雨漏りから守ることができます。

屋根の重要性は言うまでもありません。家を守る上で欠かせない要素であり、その一翼を担うのが屋根材です。しかし、その下にあるルーフィングという防水シートが、実は家を守る上で欠かせない重要な役割を果たしていることを、ぜひ覚えておいてください。安心して快適な暮らしを送るためにも、屋根全体のしっかりとした防水が不可欠です。