[ 防水工事 ] 防水工事の種類とメリット・デメリット
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体のウレタンを塗膜することで防水層を形成する工法で、防水工事の中でも非常に人気があります。この工法は建築物に軽負荷をかけず、複雑な形状の施工場所にも簡単かつ確実に適用できるため、その特徴が評価されています。
○ メリット
・改修工事として手軽で、工期が短く、コストも低く抑えられる。
・シームレスな防水層が形成されるため、屋上やベランダなど施工場所を問わない。
・環境にやさしく、臭いや熱の発生、撤去される廃材がない。
・既存の防水層がある場合でも重ねて塗ることが可能で、高性能のウレタンを用いて弾性を高めることもできる。
× デメリット
・手作業による施工のため、完全に均一な仕上がりにはならない可能性がある。
シート防水(ゴム)
ゴムシート防水は、主に屋上の防水工事で採用される方法です。この工法ではゴムシートを下地に接着剤を使用して固定します。ゴムシート自体が伸縮性に富み、耐候性がありますが、シート同士の接着に接着剤と粘着テープを使用するため、一体化しないという特徴があります。シートの厚みが薄いため、傷つきやすい一方で、コスト面で手頃で手軽に施工できるため、目立たない箇所や応急処置に適しています。
○ メリット
・気温の影響を受けにくく、耐用年数が長い。
・接着剤と粘着テープによる施工なので、短工期と低コストが実現する。
・軽量なので、木造建築にも適している。保護層を重ね塗りすることで軽歩行も可能。
× デメリット
・下地が平らであることが必要なため、複雑な形状には向かない。
・接着剤の耐用年数が防水性能に影響を与える。
・紫外線による劣化や鳥害に弱い。化学物質を使用するため、注意が必要。
シート防水(塩ビ)
塩ビシート防水は、美しい仕上がりと優れた耐久性を備え、長期間にわたって鮮やかな色彩を保つことができる方法です。塩ビ(塩化ビニール)シートを使用し、シート同士を熱や薬品で溶かし合わせて一体化させます。ゴムシートに比べて伸縮しにくく、耐久性にも優れていますが、気化する可塑剤によって硬化が進行するため、注意が必要です。
○ メリット
・紫外線や熱に強く、高い耐久性を持つ。
・伸縮率と耐摩耗性に優れ、保護層なしで軽歩行が可能。
・鳥害にも強く、施工が短工期で手軽に行える。
・意匠性に富んだカラーや模様のシートも存在する。
× デメリット
・下地が平らでなければならない。シート同士の接合に注意が必要。
・紫外線への耐性を保つためには保護が必要。
・可塑剤の気化による硬化と割れに注意が必要。
FRP防水
FRP防水は近年注目を集める工法で、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を用いて被覆防水層を形成します。強度と耐久性が高く、耐水、耐食、耐候性にも優れており、施工の際の硬化時間が非常に早いため、短期間での工事が可能です。ただし、施工中の臭気対策が必要です。
○ メリット
・軽量でありながら強靭で、耐久性に優れる。
・様々な形状に対応し、シームレスな層を形成する。
・下地への密着性が強く、耐用年数が長い。
・施工期間が短く、保護層が不要で軽量化が可能。
× デメリット
・紫外線によるヒビ割れが起こる可能性があるため、定期的なトップコートが必要。
・伸縮性に限界があるた
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