外壁塗装のキホン −外壁塗装の「手抜き工事」について–
これまでに外壁塗装工事の流れをご説明しましたが、その中で悪質な業者が行う「手抜き工事」は、工程の省略や適切な作業の怠りによって生じることが多いです。これらの手抜き工事は、見た目にはわかりにくく、初めての方や専門家でない方には気付きにくいものですが、長い目で見れば建物の劣化や修復費用の増加を招く可能性があります。
外壁塗装工事において、品質の低下や耐久性の問題を引き起こす代表的な手抜き工事について、詳しくご紹介いたします。
目次
代表的な手抜き工事
1.足場の適切な設置を怠る
足場は外壁塗装の基本であり、建物全体を覆い隅々まで塗装を行うための重要な要素です。足場を省略して高所作業を行うことは危険であり、塗装範囲が制限され、塗膜の均一性が損なわれる可能性があります。
2.適切な養生をしない
塗装時に窓やフードなどを塗料で汚さないようにするための養生は重要です。手抜き業者は、適切な養生を怠り、周辺部に塗料が飛散することで建物や周囲に汚れが付着してしまう可能性があります。
3.勝手に安価な塗料を使用する
原価を少しでも抑えるために、お客様と決めた塗料を使わず安価な塗料に無断で変えて施工してしまう業者がいるようです。安価な塗料への切り替えは、工事費用を抑えるための手段として行われることがあります。品質の劣る塗料は劣化が早まり、外壁を守る効果を損なう可能性があります。
4.不十分な洗浄作業
塗料の密着性を高めるためには、外壁や屋根の十分な洗浄が必要です。手抜き業者は洗浄作業を省略したり適当に行うことで、塗膜の密着不良や劣化を引き起こす可能性があります。
5.下地処理の不備
下地処理は塗装の耐久性を左右する重要な工程です。手抜き業者が下地処理を不十分に行った結果、塗膜の剥がれやひび割れの原因となる可能性があります。
6.薄く塗料を塗布する
塗料の適切な塗布量を守らないことで、塗膜の厚みが不足し、耐久性や防水性が低下する可能性があります。
7.乾燥時間を守らない
塗料の乾燥時間を守らないことで、塗膜が十分に固まらず、劣化や剥離の原因となる可能性があります。
8.塗装工程の回数を減らす
装工程というのは、各塗料により回数に決まりがあります。ほとんどの場合が合計3回塗りとなります。塗装工程の回数を減らして手間や材料費を削減しようとすることで、塗膜の質や耐久性が低下する可能性があります。
9.雨天時に工事を続行する
雨や湿度が高い状況での塗装は塗膜の品質を損なう恐れがありますが、手抜き業者は急いで工事を進めようとして、不適切な環境下での作業を行うことがあります。
これらの手抜き工事は、一時的には工事期間やコストを削減するかもしれませんが、長期的には建物の劣化や修復コストの増加を招く可能性があります。
外壁塗装工事においては、手抜き工事が品質の低下や耐久性の問題を引き起こすリスクになります。足場設置、養生、塗料の選定、洗浄、下地処理、塗料の厚みや乾燥時間の遵守、適切な塗装工程など、すべての工程が丁寧に行われることが重要です。信頼性のある業者を選び、手抜き工事に注意し、建物の美観と耐久性を確保しましょう。
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