外壁塗装のキホン − お家の劣化をチェック −
お家の劣化をチェック
我々の生活空間である「家」は、私たちを自然の厳しい条件から保護するという重要な役割を
果たしています。これを支えるのが、建物の外壁や屋根の塗装です。
しかし、時間と共にこれらの塗装は劣化していくもので、定期的なメンテナンスが不可欠です。
具体的には、どの部分に注意を払い、どのようにチェックすべきなのでしょうか。
以下にそれぞれ詳しく解説します。
外壁のチェック
外壁塗装は、建物全体の印象を大きく左右します。
新築時の美しい色は時間とともに変化し、劣化が進行します。
まず、色褪せや汚れ、特に目立つ箇所の塗装剥がれ、ひび割れなどを見つけたら、
それは塗り替えが必要な兆候かもしれません。湿気がこもりやすい場所、
例えば北側の庇(ひさし)の下などでは、カビやコケ、藻が生えることもあります。
これらは、塗装劣化の一部として対応する必要があり、高圧洗浄で清掃後に塗装を施すことで
対策が可能です。
↓経年劣化したサイディング外壁
↓窓付近に入ったひび割れ
↓外壁についたコケ
屋根の状態確認
屋根は建物を雨風や日光から保護する最も重要な部分ですが、その状態を定期的にチェック
することは一般的には難しいでしょう。
屋根の材料は大きく分けて「粘土系(瓦など)」「金属系(トタンなど)」「スレート系」の
3つに分類されます。
近年ではスレート系でコロニアルと呼ばれる特殊石綿セメント板が広く利用されています。
これらの屋根材も時間と共に劣化し、一定の時期に葺き替えや塗装の塗り替えが
必要となります。特にストレート屋根の場合、通常7〜10年で防水性がなくなるとされて
います。屋根に上って直接チェックするのは困難なため、屋根の経年状況や材質、
前回の塗装や葺き替えからの年数を考慮し、適切なタイミングでのメンテナンスを検討
しましょう。
屋根の最も尖った部分、棟にある棟板金のチェックも重要です。
棟板金は時間の経過と共に釘が緩んだり、外れてしまうことがあります。
これが雨漏りの原因になったり、強風時に飛ばされて事故を引き起こすこともあります。
屋根のメンテナンス時には、棟板金の修繕も必ず行いましょう。
↓割れたスレート屋根材
↓コケが生えた屋根
金属部材
住宅には鉄、アルミ、ステンレスといった金属部材が多く利用されています。
これらは外階段やフェンス、ベランダの手すり、窓枠などといった部分に見られます。
金属部はサビが発生しやすく、放置してしまうと腐食してしまいます。早めに発見し、
適切な処置を行うことが重要です。具体的には、サビをきちんと落とし、
サビ止めを施した上で塗装し直します。また、金属部材の材質や既存の塗装状況を把握し、
適切な下地処理と塗装方法を選ぶことが大切です。
シーリング材の状態
シーリングとは、建物の気密性や防水のために、外壁や窓周り、タイル等の隙間に詰める
材料のことを指します。このシーリング材も時間と共に劣化し、色あせや汚れが目立つように
なります。経年劣化で10年程度でシワや硬化、ひび割れが生じることがあります。
これらの症状が見られた場合、雨水の浸入やシロアリの発生など、さまざまな問題を引き起こす
可能性があるため、早めの対処が必要です。退色程度ならシーリング部分を含めて塗り直し可能
ですが、壁材などにヒビが出ている場合には、シーリングを全て取り替える必要があります。
↓劣化しひび割れたシーリング材
↓劣化が進み、取れてしまったシーリング部
これらの具体的なチェックとメンテナンスを行うことで、住まいを長持ちさせるとともに、
家全体の美観も保つことができます。皆様も定期的なチェックをお忘れなく。
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