外壁塗装のキホン − お家の劣化をチェック② −
以前の投稿「外壁塗装のキホン−お家の劣化をチェック−」で外壁の点検に関して簡単に触れましたが、今回はモルタルとサイディング二つの外壁材について、もう少し詳しくご説明したいと思います。
一般的な外壁材である「モルタル」と「サイディング」ですが、これらの外壁材によって、点検すべき箇所が異なってきます。
モルタルの場合
モルタルは、セメントと砂と水を混ぜて作る壁材のことです。かつては多くの住宅で使われていましたが、施工が複雑で時間とコストがかかるため、現在ではあまり使われなくなりました。しかし、古い住宅ではまだ使われていることもあり、モルタル外壁の劣化は重要な点検対象です。
モルタル特有の劣化として「ヒビ割れ」があります。また、「チョーキング」(指で触ると白い粉がつく現象)が見られる場合、外壁の塗料の防水効果が薄れている可能性があります。これらの劣化を放置すると、雨水などが染み込んで壁に深刻なダメージをもたらします。ヒビ割れは目視で確認できますが、チョーキング現象は触ってみないとわかりません。
もし自宅の外壁がモルタルであれば、外壁を触ってみて指や手に白っぽい粉のようなものがついてくるかどうかを確認しましょう。その他にも、塗料の色褪せや変色、剥がれ、コケや藻の生えている症状も塗替えのサインです。
↑モルタルの外壁。継ぎ目のない仕上がりが特徴的です。
サイディングの場合
近年ではモルタルに代わり、サイディングが主流となってきています。サイディングは、セメントと木質系成分を混ぜて板状に成形した人工の外壁材です。特に窯業系サイディングは軽量で耐火性や耐熱性に優れ、施工が簡単でコストも安いため、一般的に使われています。ただし、サイディングも劣化が起こり得るので点検が必要です。
サイディングの劣化症状としては、シーリングの目地割れ、反り、剥がれが挙げられます。また、藻やカビが生えて汚れている場合も注意が必要です。
サイディングの補修には、サイディング自体を張り替える方法や上塗りする方法、シーリングを打ち直す方法などがあります。リフォームを検討する際には、予算と建物の状態を考慮して最適な方法を選択しましょう。
↑板状のボードを張り合わせているのが特徴です。デザインのバリエーションが豊富です。
付帯部の点検
雨樋(あまどい)
雨樋は屋根の縁に取り付けられています。屋根から流れてきた雨水が建物の壁にかからないようにし、外壁の腐食を防止する重要な役割を果たしています。雨樋に問題があると、雨水が直接壁に伝わり腐食を招く可能性があります。また、雨水が地面に直接落ちると地面に溝ができたり、建物の基礎が不安定になることもあります。
雨樋に落ち葉などのゴミが詰まってしまうと、シーリングの劣化や水漏れを引き起こすことがあります。定期的にゴミを取り除き、サビや腐食防止のために塗り直す必要があります。雨樋の塗りなおしを行う際には、足場を組む必要があるため、屋根や外壁の塗り替えと合わせて行うと効率的です。
↑雨樋を下から見上げた様子です。日焼けし、塗装が剥がれれています。
破風板(はふいた)
破風板は山型の屋根に沿って設置される板で、風や雨の吹き込みを防ぐ役割を持っています。耐火性に難があるため、近年では金属系や窯業系などが主流となっています。
破風板は屋根の下にあって装飾的な役割も果たしています。そのため、塗装の劣化や剥がれが起きやすく、見た目にも影響します。塗装面にひび割れや剥がれがみられたら、早めの塗り替えが必要です。
↑黄色く囲んだ箇所が破風板です
外壁の点検は建物の長寿命と美観を保つために重要な作業です。定期的な点検と適切な補修を行うことで、家の外壁をしっかりと保護しましょう。
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