外壁塗装のキホン − なぜ塗り替えをするのか?・塗り替えの目安 −
おそらくこの記事を読んでいるほとんどの方が、初めてのお家の塗り替えをご検討中であり、
専門分野であるために多くの疑問や不安を抱いていることでしょう。
「外壁塗装の適切なタイミングは何年後なのか、その現状はどうあるべきなのか?」
「費用はどれほど見込めば良いのか?」
「工事はどの程度の期間が必要で、工程はどのように進行するのか?」
「どの種類の塗料を選べば良いのか?」
「多くの業者がある中で、誰に依頼すべきなのか?」
など、普段経験するものではないため、わからないことが多いと思います。
大切なお家の塗装工事ですから、まったくの無知のまま知らない業者に依頼するのは推奨できません。
期待通りの結果を得られずに後悔することのないよう、塗装工事がどのようなものであるかを理解し、
少なくとも基本的な知識を持ってから依頼することをお勧めします。
基本的な塗装の知識があると、工事中の自宅を見る視点が変わるかもしれません。
そこで、本ブログでは専門的な用語を排除し、初心者の皆様が塗装工事が何であるかを
理解しやすい形で情報を提供したいと考えています。
お家の塗装という大きなプロジェクトを成功させるために、このブログが皆様のご参考になれば幸いです。
塗装の重要性について
まず、なぜ外壁に塗り替えが必要なのかという疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
外観にこだわりがなく、雨風からの保護機能が維持できていれば、
そのままで大丈夫ではないかと思われるかもしれません。
しかし、我々のお家も「物」であり、
定期的なメンテナンスを行わないとその保護機能は大きく低下します。
塗装の主な目的は、一言で言えば、建物を自然環境(雨や風など)から保護することです。
さらには、建物の美観を維持し、
色彩を通じて全体のイメージを一新するなどの効果もあります。
新築のお家であっても、時間と共にその劣化は避けられません。
特に外壁は、塗装という防護膜により建物の材料が保護されています。
外壁の塗装は、常に雨風や太陽光にさらされているため、経年とともにその効果は減衰します。
新築時は色鮮やかだったお家も、時間とともに色がくすみ、壁にはヒビや汚れが見え始め、
暗い雰囲気に変わってしまうかもしれません。
現在の住宅は、「100年住宅」などと銘打って長寿命を謳っているものもありますが、
これは何もしないで耐えられるというものではなく、多様なメンテナンスを必要とするもの
です。自動車が数年ごとの車検や定期点検を必要とするように、建物も長期にわたって
その性能を維持するためには、メンテナンスは必須と言えます。
したがって、建材を保護し長寿命化を図るためにも、一定の期間が経過したら塗り替えが
必要となるのです。
塗装のタイミングは?
外壁塗装の目安となる時期は、一言で言えば10年に一度です。
過去には6〜7年ごとが一般的でしたが、近年の塗料の品質向上により、おおむね
10年から12年が塗り替えの適切なタイミングとされています。新築から約5年が経過すると、
鉄部と木部の塗装が劣化し、メンテナンスが必要になります。この段階で鉄部や木部の
塗り替えを行うのが理想的です。しかし、現代の木造家屋ではアルミサッシが主流であり、
鉄部や木部は少ないため、5年目にこだわる必要はないと考えています。
そして更に5年が経過すると、建物全体の耐久性に影響を及ぼす外壁や屋根の塗装の
塗り替えが必要となります。したがって、10年に一度の外壁塗り替えが最適と言えます。
しかし、塗料の種類や、日射状況、風通しの良さ、湿気のこもりやすさなど、同じ建物でも
その状況によって劣化のスピードは異なります。実際、紫外線の強く当たる南側や直射日光の
当たりにくい北側など、建物の面ごとに劣化の進行具合は異なります。
そのため、
“外壁の塗り替えは10年が目安”とは一般的な意味での表現であることを覚えておいてください。